婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
兄に悪気はない。むしろ、兄は悪くはない。だが、少しでも何か話そうとすれば、八つ当たりしてしまうのではないかと思い、必要最小限の挨拶にとどめた。
ヘインズ兄妹はよく似ており、黒く艶やかな髪は父親に似た。ヒルダだけが赤茶の髪をしているが、それもまた彼女の魅力を引き立てている。
「とにかく、そこに座りなさい」
父にうながされ、エステルは母親と並んでソファに座る。
何を言われるのか。エステルは内心、ヒヤヒヤしていた。
学生魔導具展の参加取り消しだけでなく、エルガス学園すら退学させられ、セドリックとの婚約まで解消されたのだ。考えてみれば、ヘインズ侯爵家にとって不名誉なことだろう。
エステルは、自分でも気づかぬうちにスカートの裾をぎゅっと握りしめる。
「エステル……少し、王都を離れてみてはどうだ?」
「え?」
目の前が真っ白になった。何を言われたのか、頭が考えることを拒否している。
だが、今の言葉を解釈すれば、侯爵家から追い出されるということだろうか。不名誉なエステルを、追い出したいということか。
ヘインズ兄妹はよく似ており、黒く艶やかな髪は父親に似た。ヒルダだけが赤茶の髪をしているが、それもまた彼女の魅力を引き立てている。
「とにかく、そこに座りなさい」
父にうながされ、エステルは母親と並んでソファに座る。
何を言われるのか。エステルは内心、ヒヤヒヤしていた。
学生魔導具展の参加取り消しだけでなく、エルガス学園すら退学させられ、セドリックとの婚約まで解消されたのだ。考えてみれば、ヘインズ侯爵家にとって不名誉なことだろう。
エステルは、自分でも気づかぬうちにスカートの裾をぎゅっと握りしめる。
「エステル……少し、王都を離れてみてはどうだ?」
「え?」
目の前が真っ白になった。何を言われたのか、頭が考えることを拒否している。
だが、今の言葉を解釈すれば、侯爵家から追い出されるということだろうか。不名誉なエステルを、追い出したいということか。