婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「そ、そうかしら?」
「ええ、そうですよ。旦那様も素敵ですけれど、やはり年齢差を考えるとセリオ様のほうがお似合いかと」
「ちょっとハンナ。何、失礼なことを言ってるのよ!」
そこでハンナは髪を結わえたリボンをきゅっと締めた。
「はい、終わりました。エステル様がこの髪型にされるのは、久しぶりですね」
いつもは邪魔にならないようにと、一つに結わえている。さらにくるりとまとめてシニヨンを作るときもある。魔導具製作過程で、髪の毛が巻き込まれたら困るからだ。髪の毛が挟み込まれた、燃えた、切れたなど、不慮の事態というのは何が起こるかわからない。
だが今日は魔導具製作も休みだ。だから久しぶりに編み込みにして、ハーフアップにしてもらった。
なぜならギデオンが遠乗りに誘ってくれたのだ。彼のほうも、季節の変わり目の作業があらかた片づき、あとは夏を迎えるだけになっていた。夏になればなったで、冬越えに向けて魔石の採掘なりなんなりと忙しい。
ちょうどその忙しいが途切れる季節の今、ギデオンが領地を見て回らないかと誘ってくれた。
領民のほとんどがこの城内で暮らしているが、外にもいくつか集落があるらしい。ギデオンは何度も城塞で暮らさないかと声をかけているようだが、昔からそこに住んでいる者にとっては、離れがたい何かがあるのだろう。だから定期的にそういった集落も見回り、冬だけは城内で受け入れるようにしたとのこと。
「ええ、そうですよ。旦那様も素敵ですけれど、やはり年齢差を考えるとセリオ様のほうがお似合いかと」
「ちょっとハンナ。何、失礼なことを言ってるのよ!」
そこでハンナは髪を結わえたリボンをきゅっと締めた。
「はい、終わりました。エステル様がこの髪型にされるのは、久しぶりですね」
いつもは邪魔にならないようにと、一つに結わえている。さらにくるりとまとめてシニヨンを作るときもある。魔導具製作過程で、髪の毛が巻き込まれたら困るからだ。髪の毛が挟み込まれた、燃えた、切れたなど、不慮の事態というのは何が起こるかわからない。
だが今日は魔導具製作も休みだ。だから久しぶりに編み込みにして、ハーフアップにしてもらった。
なぜならギデオンが遠乗りに誘ってくれたのだ。彼のほうも、季節の変わり目の作業があらかた片づき、あとは夏を迎えるだけになっていた。夏になればなったで、冬越えに向けて魔石の採掘なりなんなりと忙しい。
ちょうどその忙しいが途切れる季節の今、ギデオンが領地を見て回らないかと誘ってくれた。
領民のほとんどがこの城内で暮らしているが、外にもいくつか集落があるらしい。ギデオンは何度も城塞で暮らさないかと声をかけているようだが、昔からそこに住んでいる者にとっては、離れがたい何かがあるのだろう。だから定期的にそういった集落も見回り、冬だけは城内で受け入れるようにしたとのこと。