婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「母ちゃん、領主様が来てくださったぞ。魔導具を見てくれるそうだ」
「は~い」
案内された家の奥からは、女性の声が聞こえてきた。母ちゃんと彼は呼んだが、どうやら彼の妻のようだった。
「こんにちは、領主様。わざわざお越しいただきありがとうございます」
「今日は、たまたま魔導職人を連れてきたからな。壊れた魔導具とやらを見せてもらおう」
オーブン魔導具は調理場にあった。王都でも売れ筋の、いたって普通のオーブン魔導具である。
「これは使い始めてからどれくらいの年数が経っていますか?」
エステルが彼に尋ねた。
こういった調理に使う魔導具は、ヘインズ侯爵が初期に開発したものだ。古いものであれば、五年以上も使っているはず。
「実は、ここいらでどこよりも早くこれを手に入れたんだ。だから、六年、七年かな」
とりあえずオーブン魔導具の動きを見ようと、ボタンを押してみた。しかし、それはうんともすんとも言わない。
「恐らく、魔石切れですね。こういった家庭で使う魔導具は、だいたい五年の耐用年数で設計されていますから。劣化すると、思ってもいないところから火が出たりして危ないんですよ。だから、五年で魔石が切れるように設計して、点検して安全性が確認できれば、魔石交換で対応できますよ」
「は~い」
案内された家の奥からは、女性の声が聞こえてきた。母ちゃんと彼は呼んだが、どうやら彼の妻のようだった。
「こんにちは、領主様。わざわざお越しいただきありがとうございます」
「今日は、たまたま魔導職人を連れてきたからな。壊れた魔導具とやらを見せてもらおう」
オーブン魔導具は調理場にあった。王都でも売れ筋の、いたって普通のオーブン魔導具である。
「これは使い始めてからどれくらいの年数が経っていますか?」
エステルが彼に尋ねた。
こういった調理に使う魔導具は、ヘインズ侯爵が初期に開発したものだ。古いものであれば、五年以上も使っているはず。
「実は、ここいらでどこよりも早くこれを手に入れたんだ。だから、六年、七年かな」
とりあえずオーブン魔導具の動きを見ようと、ボタンを押してみた。しかし、それはうんともすんとも言わない。
「恐らく、魔石切れですね。こういった家庭で使う魔導具は、だいたい五年の耐用年数で設計されていますから。劣化すると、思ってもいないところから火が出たりして危ないんですよ。だから、五年で魔石が切れるように設計して、点検して安全性が確認できれば、魔石交換で対応できますよ」