婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「へぇ~。さすが領主様が連れてこられた魔導職人の方だ」
「ですが今、交換用の魔石も用意しておりませんし、点検用の工具もないので……」
今すぐ対応できないと口にするのはエステルも心苦しい。
「そうなんですね」
男も彼の妻も、どこかしょぼんと肩を落とす。
「では、後日。必要な物を持って、もう一度ここに来よう」
そう言って割って入ったのは、ギデオンだ。
「え、と。ギデオン様は、お忙しいのでは?」
明日以降は、外城の水路を確認する約束をしていたはずだ。
「ああ。別に俺がいなくてもいいだろう? エステルさえいれば。俺は魔導具のことなどさっぱりわからんからな」
そんなふうに威張って言われても。
「だけど、私……恥ずかしながら、一人でここに来られるような移動手段を持ち合わせておりません。歩いてくるとなると、半日はかかるかと……」
「ですが今、交換用の魔石も用意しておりませんし、点検用の工具もないので……」
今すぐ対応できないと口にするのはエステルも心苦しい。
「そうなんですね」
男も彼の妻も、どこかしょぼんと肩を落とす。
「では、後日。必要な物を持って、もう一度ここに来よう」
そう言って割って入ったのは、ギデオンだ。
「え、と。ギデオン様は、お忙しいのでは?」
明日以降は、外城の水路を確認する約束をしていたはずだ。
「ああ。別に俺がいなくてもいいだろう? エステルさえいれば。俺は魔導具のことなどさっぱりわからんからな」
そんなふうに威張って言われても。
「だけど、私……恥ずかしながら、一人でここに来られるような移動手段を持ち合わせておりません。歩いてくるとなると、半日はかかるかと……」