婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「いえ……歩けますから」
「そうか」
 セリオが馬を引きながら歩き、そんな彼の隣をエステルが歩く。
 城に戻ればハンナが出迎えてくれた。
「お嬢様、具合が悪いのですか? 顔色が悪いですよ」
「えぇ……そうね、少し疲れてしまって。セリオさん、今日はありがとうございました」
「ああ、とにかく今はゆっくり休め」
 部屋に戻ったエステルだが、その後の記憶は曖昧だった。
 だけどその日、なぜか夢にセドリックが出てきた。まだ婚約が決まる前の二人。無垢に笑い合っていたあのときの夢だった。
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