婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「でもさ。人生なんて、そんなもんよ。出会いと別れを繰り返すの。今は私たちもこうやって一緒に魔導具の開発をしているけど、十年後なんてどうなってるかわからないし。今が楽しいと、この時間が永遠に続くんじゃないかって、脳みそが勘違いするのよね。もしくは、このまま時間が続けばいいってね」
 さすがは人生の先輩だ。
「でもさ、別れたってもう二度と会えないわけではないでしょ? エステルが王都にいるなら、私が王都に遊びにいってもいいしね」
 からりとしたアビーの明るい声に、はっとする。
 彼女の言うとおりだ。一度別れたからって、もう二度と会えないわけではない。会いたくなったら会いにいけばいいのだ。
 そう考えたら、心が軽くなった。
「アビーさん、ありがとうございます」
 それから少し雑談を交わした二人は、また『でんわ』の製作に戻った。
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