婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「ところで、食事はまだ? 私、お腹が空いて……」
 エステルは男が怒り出すのではないかと気が気ではなかった。リーダーの男はもう一人の部下に何かを命じ、その部下が部屋を出ていく。
「わかった。おまえたちに快適な部屋と食事、それから着替えを用意する」
「やったぁ。あなたって見かけによらずいい人ね。じゃ、腹ごしらえをしたら、あなたの話を聞いてあげるわ」
 アビーがウインクを飛ばす。男は顔をしかめ、踵を返して部屋を出ていった。
 パタリと扉が閉まり、続いてカチャリと金属音が響く。鍵がかけられたようだ。
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