婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
セドリックと魔導具開発展に未練を残すエステルが、ここまでの経緯を思い出してため息をついたところ、心配したのか侍女のハンナが声をかけてきた。
ハンナはエステルより二歳年上で、彼女が学園を卒業した一昨年、エステル付きの侍女としてヘインズ侯爵邸で働き始め、今回の辺境行きにも同行を申し出てきてくれたのだ。
忠誠心が高いのかと思ったが「新天地で新しい出会いに期待したいだけです」と、ズバリと言ってしまうところが彼女らしい。
「休憩をいれましょうか?」
エステルがセドリックと婚約解消した事実は、王都で生活をしている者ならば誰でも知っている事実。だからハンナもエステルを気遣っている。
「ありがとう、ハンナ。でも、大丈夫。早く辺境伯のお城に向かいましょう。きっと、待っていると思うの」
エステルが辺境行きを決めたその日、モートンはすぐに伝書鳩を飛ばした。こういうとき『でんわ』があれば便利だと思ったが、それは口にしなかった。意地でも『でんわ』を完成させてやると、エステルは決心していたからだ。
伝書鳩はすぐに戻ってきて、エステルの滞在を心から歓迎するといった返事を運んできた。
ハンナはエステルより二歳年上で、彼女が学園を卒業した一昨年、エステル付きの侍女としてヘインズ侯爵邸で働き始め、今回の辺境行きにも同行を申し出てきてくれたのだ。
忠誠心が高いのかと思ったが「新天地で新しい出会いに期待したいだけです」と、ズバリと言ってしまうところが彼女らしい。
「休憩をいれましょうか?」
エステルがセドリックと婚約解消した事実は、王都で生活をしている者ならば誰でも知っている事実。だからハンナもエステルを気遣っている。
「ありがとう、ハンナ。でも、大丈夫。早く辺境伯のお城に向かいましょう。きっと、待っていると思うの」
エステルが辺境行きを決めたその日、モートンはすぐに伝書鳩を飛ばした。こういうとき『でんわ』があれば便利だと思ったが、それは口にしなかった。意地でも『でんわ』を完成させてやると、エステルは決心していたからだ。
伝書鳩はすぐに戻ってきて、エステルの滞在を心から歓迎するといった返事を運んできた。