婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
それからすぐに辺境行きの準備を始め、できるだけセドリックのことは考えないようにした。そしてなんとか、新天地での生活に胸を弾ませるようになった。
ただ、移動には馬車で五日。これも、自動車や新幹線、飛行機のような乗り物があればもっと早く移動ができるのにという考えが脳裏をよぎる。
こうやって新しい魔導具を考えることで、エステルはなんとか心の平穏を保っていたのだ。
「そうですね。ただ、アドコック領は寒いんですよね……」
ハンナがぼそりと呟いた。だが、彼女の言うことは正しい。アドコック領の冬は、雪が胸元に届くほど積もるため、とにかく寒い。そしてこれから雪が降る季節で、雪が降る前に移動したいということもあって、慌てて荷造りをしたのだ。
「そうね。雪も積もるみたいだし。でも、雪だるまが作れるわよ」
「お嬢様、私は雪だるまを作って喜ぶような年ではございませんし、お嬢様だってそうでしょう?」
ハンナの言葉は正しい。何よりも彼女は成人しているのだ。
「でも、雪には興味があるわ。だって、王都は雪が降らないでしょう? 雪って冷たいのよね。雪の世界ってどんな感じなのかしら?」
ただ、移動には馬車で五日。これも、自動車や新幹線、飛行機のような乗り物があればもっと早く移動ができるのにという考えが脳裏をよぎる。
こうやって新しい魔導具を考えることで、エステルはなんとか心の平穏を保っていたのだ。
「そうですね。ただ、アドコック領は寒いんですよね……」
ハンナがぼそりと呟いた。だが、彼女の言うことは正しい。アドコック領の冬は、雪が胸元に届くほど積もるため、とにかく寒い。そしてこれから雪が降る季節で、雪が降る前に移動したいということもあって、慌てて荷造りをしたのだ。
「そうね。雪も積もるみたいだし。でも、雪だるまが作れるわよ」
「お嬢様、私は雪だるまを作って喜ぶような年ではございませんし、お嬢様だってそうでしょう?」
ハンナの言葉は正しい。何よりも彼女は成人しているのだ。
「でも、雪には興味があるわ。だって、王都は雪が降らないでしょう? 雪って冷たいのよね。雪の世界ってどんな感じなのかしら?」