婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「アビーさん。これ……」
工具入れから小型の『でんわ』を取り出したエステルは、そっとアビーに見せる。
「ちょっと、これ『でんわ』じゃないの。これ持ってるのを見つかったら、あいつらにとられちゃうよ」
「そうですよね。だから、工具入れに隠しておきますけど。これを使って助けを呼べないかなって……」
エステルの声には、かすかな希望が宿る。
「そりゃ、『でんわ』で誰かに連絡すれば、助けにきてくれるんじゃない? それでギデオンに連絡できないの?」
アビーの指摘はもっともなのだが、エステルは首を横に振る。
「それが……これ、試作品なんです。本来は『でんわ』に固定の番号を割り振って、それぞれの魔導回路を繋ぐ仕組みを考えていたんですけど……。残念ながらこの試作機は、ギデオン様が使っているタイプの『でんわ』と繋がらないんです」
「それって、つまり使えない『でんわ』を持ってるってことよね?」
アビーの率直な言葉に、エステルはドキッとする。
「い、いえ。そんなことはありません。この魔導回路を誰かに検知してもらえればいいので。相互通話でなくても、とにかく私の声が聞こえればいいかなって……」
工具入れから小型の『でんわ』を取り出したエステルは、そっとアビーに見せる。
「ちょっと、これ『でんわ』じゃないの。これ持ってるのを見つかったら、あいつらにとられちゃうよ」
「そうですよね。だから、工具入れに隠しておきますけど。これを使って助けを呼べないかなって……」
エステルの声には、かすかな希望が宿る。
「そりゃ、『でんわ』で誰かに連絡すれば、助けにきてくれるんじゃない? それでギデオンに連絡できないの?」
アビーの指摘はもっともなのだが、エステルは首を横に振る。
「それが……これ、試作品なんです。本来は『でんわ』に固定の番号を割り振って、それぞれの魔導回路を繋ぐ仕組みを考えていたんですけど……。残念ながらこの試作機は、ギデオン様が使っているタイプの『でんわ』と繋がらないんです」
「それって、つまり使えない『でんわ』を持ってるってことよね?」
アビーの率直な言葉に、エステルはドキッとする。
「い、いえ。そんなことはありません。この魔導回路を誰かに検知してもらえればいいので。相互通話でなくても、とにかく私の声が聞こえればいいかなって……」