婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
 その直後、アドコック領から伝書鳩が届き、ギデオンから「エステルがいなくなった」との報告があった。ギデオンも気が気でなかったようだ。
 ヘインズ侯爵がエステルとアビーの無事を確認すると、改めてギデオンから謝罪が届けられたという。
 あの事件で、ヴァサル国の改革派と呼ばれる関係者を芋づる式に捕まえた。ただし、王弟本人が関与していなかったのは幸いだった。
 彼が直接命じたわけではなく、王位をジュリアンに継がせたくない一派が勝手に王弟を担ぎ上げていただけだったのだ。これを機に、王弟は王位継承権を放棄し、ジュリアンが正式に王太子となることが決まった。
 継承問題を曖昧にしてきたことが問題だったという意見も上がり、ヴァサル国の情勢は一歩前進した。
 セドリックはエルガス学園を卒業し、卒業生代表として壇上で堂々と挨拶をこなした。
 一方、ジュリー、つまりジュリアンは卒業間近に自国へ戻る形となり、学園を卒業しなかった。そして、もちろんエステルも卒業には至っていない。
 しかし、セドリックが学園卒業後すぐにエステルに再び求婚したという話は、ターラント国中に瞬く間に広まった。
 セドリックとジュリーの関係を知る者からは反対の声も上がったが、エステルが彼を受け入れたことで、次第に非難の声は収まり、むしろ彼女の寛大な心に賛辞が寄せられた。
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