婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
エステルの目の前に並んだ女性たちを、ジェームスが紹介し始めた。彼女たちは、主にエステルの身の回りの世話を手伝ってくれるという。つまり、侍女だ。ヘインズ侯爵邸にいたときは、これほどの侍女に囲まれたことはなかった。やはり、国境の城主となれば、待遇も違うのだろう。
少し緊張しつつも、エステルもハンナを紹介した。
「では、ハンナさん。後で城内を案内いたしますわ」
そう言った彼女たちは、お茶の用意をして部屋を出ていった。ジェームスも「まずはゆっくりとお休みください」と言うと、去っていく。
華やかな部屋にエステルとハンナは二人きり。テーブルを挟んで向かい合う二人は、ほっと息を吐いた。
「好意的でよかったわ」
それがエステルの本音だ。
「本当ですね。ただ、一つだけ気になることが……」
そこでハンナが顔を曇らせる。
「気になること?」
少し緊張しつつも、エステルもハンナを紹介した。
「では、ハンナさん。後で城内を案内いたしますわ」
そう言った彼女たちは、お茶の用意をして部屋を出ていった。ジェームスも「まずはゆっくりとお休みください」と言うと、去っていく。
華やかな部屋にエステルとハンナは二人きり。テーブルを挟んで向かい合う二人は、ほっと息を吐いた。
「好意的でよかったわ」
それがエステルの本音だ。
「本当ですね。ただ、一つだけ気になることが……」
そこでハンナが顔を曇らせる。
「気になること?」