弟のように思っていたのに、恋を教えてくれて――。

4*告白

 雪の降る季節になった。
 私たちの関係は変わらないまま続いている。

 イルカのキーホルダーは今、仕事用バッグのファスナーで揺れている。鍵につけていたけれど、それじゃあ夏樹に〝きちんとつけてるよアピール〟ができないかな?と思ってそこにした。だからなのか分からないけれど、数日後には夏樹も仕事用のバッグにつけていた。

――つける場所を合わせてくれたのかな? 場所までお揃いなのが、ひそかに嬉しい。

 別々の場所で過ごしている時でもイルカのキーホルダーが目に入るたび、夏樹の笑顔や手の温もり、共に過ごしていた時間が鮮明によみがえる。気がつけば水族館デートの日以来、夏樹のことを考えない日はなかったな。

そして一緒にいる日が増え、夏樹と会うたびに、少しぎこちなくなっていく自分に気がつく。

もう、あれだ。きっと私は夏樹のことを――?

 そんな中、十二月に幼なじみでもあり友達以上恋人未満だった私たちの関係が変化する日が訪れた。



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