初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
 私は心を入れ替えて彼の顔を真正面から捉えると、ありがとう、と頭を下げた。

「私ならできる、って言ってもらえて嬉しい。私、頑張るね」
「うん。明日からは一緒に頑張ろう。でも、今日は早く帰ること。さすがにもう遅いし、入社日以外、毎日残業してるだろ?」
「はい……」

 至極まっとうなことを言われてしまい、返す言葉もない。
 私は急いで資料をまとめると、ほとんど人がいないフロアに戻って、帰り支度を始めた。

「そういう蒼士くんは? 帰らないの?」
「もう帰るけど、一本だけメール打ってから帰るから」
「そっか。じゃあ、お先に失礼します」
「うん、お疲れ」

 再びパソコンと向き合う彼を横目に、人の気配が減ってしまったオフィスを後にする。

 体は疲れているはずなのに謎の充足感があるのは、蒼士くんからの励ましのおかげだろう。
 思い出すだけで頬が緩んでしまって、慌てて口角を引き締めた。

 ――明日も、頑張ろう。

 心の中で自分自身を鼓舞すると、私は彼に撫でられたところなぞるように同じところをぽんぽんと手で押さえた。

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