初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
「結局、ほだされそうになってる……」

 彼からは妹みたいだからという理由でふられたのだ。
 いまだって可愛い妹みたいに思っているだけなのかもしれない。懐かしさとお酒に酔った勢いで好きだと言った可能性だってあるのだ。
 なんでもかんでも鵜呑みにして舞い上がってしまっては、過去と同じ轍を踏むことになる。
 あのときの痛みを、もう二度と味わいたくなかった。

「絶対、蒼士くんのことは好きになっちゃダメ……」

 もう二度と、彼のことは好きにならないと決めたのだから。

 近くにあった枕を引き寄せて、ぎゅうっと腕に抱きこむ。窒息しそうなほど胸が苦しいのは、枕を抱き締めすぎて息が苦しいからなのか、それとも……。

 何度も深い呼吸を繰り返し、頭の中で繰り返し浮かび上がってくる過去の思い出をなんとか打ち消そうとかぶりを振る。
 やがてそのことにも疲れ切ってしまった私は、そのままベッドの上で寝落ちた。

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