灯りはそのままに
「とにかく、似合ってるよ。なかなかその髪型が似合う人もいないし」

「シュウジって⋯⋯」

「ん？」

「やっぱりモテるでしょう？優しいし」

自分でも、何故こんな質問をしているのかと思った。

「優しいっていうより⋯⋯のんびりしてて優柔不断なだけだよ。女の子から見るとつまんないタイプだと思う。のほほんとしてるから、浮気されて振られたんだろうって友達に言われたこともあるよ」

浮気されて振られたとは、初めて聞く話だった。

「ごめんね、古傷抉ったりして⋯⋯」

「いやいや！古傷どころか、かすり傷ですらないよ。浮気といっても、高校の頃の話で、付き合いもかなり短期間で何もなかったし。もし、何処かで再会したとしても、きっと何も思わないだろうなぁ」

そう言って笑うシュウジは、不思議にも全く悲しそうには見えなかった。

メンタルが強いってことなのかな。
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