灯りはそのままに
中学生になると露骨にはいじめられなくとも、相変わらず一部の男子からは、聞こえよがしに、

「あいつ、絶対にレズだろ」

ニヤニヤしながら言われていた。


シュウジは、いつだって優しい。

それは、初めて会ったときから、今も変わらない。

デート⋯⋯と言えるのかわからないけれど、二人で出掛けるときは、いつもさりげなく守ってくれるし、私が人混みが苦手なのを知っているから、

「郊外にも面白いところは結構あるんだよ」

と、色々なところを案内してくれた。

かたく閉ざしていた心が、彼の優しさでどんどん溶かされていくのを感じるのに、それでもまだ、立ち直れない私がいる。





知り合ってから、まだたったの4ヶ月。

それなのに、もう長い長い付き合いのような錯覚を覚えた。

夏休みには、何度も会った。

シュウジは信用できる人だと思ったから、何度か部屋に招いたこともある。
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