灯りはそのままに
うちに来ると、いつも私の好きなお菓子を持ってきてくれた。

外で会っているときは、終電ギリギリまで一緒に居て、帰りは部屋まで送ってくれたが、私の部屋で会うときには、暗くなる前に帰ってゆく。

そんな風に、いつだって、さりげなく気を遣ってくれてるのがよくわかる。





ある日、シュウジが私の部屋に来ていたとき、いつものようにお菓子を持ってきてくれた。

「ありがとう⋯⋯なんか、いつものお菓子と違うのまであるけど、どうしたの?」

「実は、ピノコにお願いがあって」

それで、山吹色のお菓子なのか。

「もちろん、嫌なら断って構わないんだけどさ⋯⋯」

「話なら聞くよ?」

「高校時代の同級生から、同窓会を兼ねたパーティーに誘われてて⋯⋯何故か知らないけど、パートナー同伴ってことになってるんだ」

「うん」

「それで、ピノコさえよかったら、同伴をお願いできないかなって」
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