灯りはそのままに
どうして私なんかに頼むのかな?

同じ大学にだって、女の子ならたくさんいるはずなのに。


そんなことを思っていると、シュウジには心を見透かされたようだ。

「確かに、学校やバイト先に女の子がいないわけじゃないよ。だけど、こんなにしっくりくる子は他に誰もいなくて。だからといって、無理強いはしないけど」

逡巡したが、いつも優しくしてくれるシュウジからの頼みだったので、

「いいよ」

そう答えていた。

シュウジの顔がパッと明るくなり、

「本当に?凄く嬉しいよ!ありがとう!」

私なんかでこんなに喜んでくれる男の子なんて、世界中探しても、シュウジ以外にいないだろう。

シュウジが恥をかかないように、せめてその日だけはレディらしく振る舞おうと思った。
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