ホンモノはどっち？〜僕と君の証明〜

整理整頓された本棚には小説や参考書が並んでいる。部屋のカーテンやベッドの布団などは青色で統一され、置かれている物も少ない。まるでモデルルームのようだ。

この部屋の持ち主である中学生、本田伊織（ほんだいおり）は目の前に座っている東向日葵（あずまひまわり）と向かい合って座っていた。テーブルの上には数学の教科書とノートが広げられている。

「じゃあ問題。三角形の合同条件は？」

伊織の問いかけに向日葵の顔は一瞬にして曇る。顔には汗が浮かび、目をあちこち動かしながら「う〜んと？」と首を捻っている。伊織はため息を吐きたいのを堪え、次の問題を出す。

「三角形の相似条件は？」

これにも向日葵は首を傾げ続けている。今度は我慢することなく伊織はため息を吐いた。そして「図形は二年生の時にも習っただろ……」と呟く。

ここで答えを書いておく。

三角形の合同条件

1、3組の辺がおんなじ

2、2組の辺とその間の角がおんなじ

3、1組の辺とその両端の角がおんなじ