ホンモノはどっち?〜僕と君の証明〜
三角形の相似条件
1、3組の辺の比がおんなじ
2、2組の辺の比とその間の角がおんなじ
3、2組の角がそれぞれおんなじ
伊織の呆れように向日葵は唇を尖らせた。
「だって〜……。あたしが数学苦手なの知ってるでしょ?」
「数学だけじゃなく勉強全般な」
伊織の訂正に向日葵は頰を不満げに膨らませたものの、言い返す言葉で出てこない様子だ。伊織の指摘通り、向日葵の成績は学年で下から数えた方が早い。逆に伊織は上から数えた方が早い。
完全に拗ねた様子の向日葵を見て、伊織は内心「言いすぎたか」と思う。この手のタイプは一度拗ねると勉強に戻ってくれない。伊織は頭の中でかける言葉を考える。そして、高校のパンフレットを取り出した。
「向日葵。ほら、これ見てみろよ。H高校のパンフ」
伊織と向日葵は受験生だ。毎日のようにどこかの高校のパンフレットを家に持って帰る。H高校は県内でも指折りの進学校で、伊織の第一志望の学校だ。
1、3組の辺の比がおんなじ
2、2組の辺の比とその間の角がおんなじ
3、2組の角がそれぞれおんなじ
伊織の呆れように向日葵は唇を尖らせた。
「だって〜……。あたしが数学苦手なの知ってるでしょ?」
「数学だけじゃなく勉強全般な」
伊織の訂正に向日葵は頰を不満げに膨らませたものの、言い返す言葉で出てこない様子だ。伊織の指摘通り、向日葵の成績は学年で下から数えた方が早い。逆に伊織は上から数えた方が早い。
完全に拗ねた様子の向日葵を見て、伊織は内心「言いすぎたか」と思う。この手のタイプは一度拗ねると勉強に戻ってくれない。伊織は頭の中でかける言葉を考える。そして、高校のパンフレットを取り出した。
「向日葵。ほら、これ見てみろよ。H高校のパンフ」
伊織と向日葵は受験生だ。毎日のようにどこかの高校のパンフレットを家に持って帰る。H高校は県内でも指折りの進学校で、伊織の第一志望の学校だ。