初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「跡形もなくなるのですね」

シェリアが背後で緊張を解く気配がする。

「ああ。魔獣は人々の感情の遺物だといわれている。苦悩や恨みなどの負の感情からできているらしい。だから倒せば跡形もなくなる」

「そうですか。そんなことは魔獣図鑑には載ってないことですね。世間の人々は誤解しています。魔獣は怖いものだとしか教えられませんから」

「そうだな。だがそれはキルギアの知恵でもある。魔獣の生態はこの地方でのみ語り継がれるものだ。他の地の者に魔獣の掌握方法を気取られないようにするためだろうな」

「なるほど。魔獣がただただ怖いだけでしたが、なんとなく…そうでもなくなりました」

「はは。だが…」

「わかっています。侮りませんから大丈夫です」

それでも魔力を持たないシェリアを一人で行動させるのは怖かった。
この先ずっと城に閉じ込めておけるわけでもないのに…

「帰ろうか。城に」

「はい」
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