初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「はい。あちらはそろそろ帝国からの支配を抜け出したいと思っているのですよね? ならば、我が国へ取り込んで小麦の生産を元に戻すのです。これを見てください」

資料を指し示す。
昨日の夜図書館で調べたものだ。

「マルコー国は十数年前まで質の良い小麦の生産国でした。ですが、小麦が取れすぎて値が下がるのを防ぐため帝国が生産を停めています。そのせいで産業がなくなったマルコーは貧困にあえぎ我が国へと手を伸ばしてきているようです」

「そうなのか。それは……調査をしてくれたんだな。ありがとう」

「いえ。わたしにはそれしか取り柄がありません。ですので我が国に取込み、小麦を生産させればうちにとってもマルコーにとってもいい形になります」

「よし、ならば早急にメルディスに帝国よりマルコー国の譲渡を進めてもらおう」

「はい」

これで小麦の件はうまくいくだろう。
小麦を生産するにはキルギアは寒すぎるのだ。南方で生産するしかない。自国で生産できれば関税もかからないし、マルコーはほぼ自国になることは決まってるのだから……。
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