初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「彼女が大事にしていたロケットです。彼女の母の写真が入っていたロケットがあったんです。それは常に肌身離さず持っていた。それを彼女が婚礼の夜であろうと手放すはずがない。そのロケットが落ちていなかったかと聞きましたが、それはありませんでした。だから僕は疑った。彼女は死んでいないと」

なんと鋭い。
彼女は確かにロケットを持っている。
アンクレットとして左足の足首にずっと巻いている。
今でも大切に。

「どこにいるのかと…ずっと探していましたがナダルではわからず、結局そのまま帰国したのですが、そこで突然アリア王女との婚約が発表されたのです。僕の知らない間に新聞社が勝手にばらまきました。父に問いただしましたが、国王の言うことを聞くんだの一点張りで……それで父とは折り合いが合わなくなり、もう一度ナダルに大使として出向きたいと国王に打診しました。アリア王女と結婚するために自分の経歴に箔をつけたいから、必ずナダルとの同盟を成立させてみせると言ったんです。そうすれば国を出られるので」

思い切った行動をするもんだ。

「口実をもとにナダルに入ってナダルでシェリア王女がどこで生きているという証拠を探し続けていました。ですが見つからず絶望が押し寄せてきたころ、新聞で見たのです。デュランダル陛下。あなたとシェリアが写っている写真を」

俺とシェリア?
新聞に載ったとすればそれは…

「あの小さな記事を見てわかったのか?」

あのとき、シェリアは帽子を深くかぶり仮面をつけていた。
自分の横でかすかに横顔が写っている程度の写真だ。
それをみてシェリアと判別したというのか?

「はい。オペラを見るために女性を伴うあなたの姿でした。ついにキルギアの国王が結婚か? という記事です」

「はっ」
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