初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「キルギアの針葉樹林に長く住む彼ら聖獣は、昔からキルギア人と共存してきた。おそらく低級魔獣たちは知能を持たず、単純な負の感情でできている。人は低級魔獣を殺すことで負の感情を自ら浄化しているんだ。中級以上の魔獣たちは低級を人間があやめることについては否定しない。彼らは人間が自らが生み出した負の感情と戦い浄化することを見守っている。そして自らも負の感情を針葉樹林にためて石として浄化させてくれている。そういう生き物だったんだよ。彼らは」

「キルギア人は長い歴史の中で魔獣との関係性を守り続けていた。キルギアは他国の人々からの鬱積した負の感情を浄化する役割を持っているんですね」

「ああ」

「誇りを持つべきです」

「誇りか…」

「この話をキルギア人ひいては世界中に拡散すべきですわ」

「そうだな。では童話として拡散するか?」

「まぁそれはいい考えかも」

「だろう?俺も愛を知って少しずつ人の機微な感情を持てるようになってきたってことかな?」

「まぁ」

今はドレスに隠れて見えないが、肌身離さずつけているアンクレット。
オルベリアにいたころは首飾りとして加工していたものだ。

シェリアは少し腰をかがめるとアンクレットのホックをぱちりと外した。
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