涙のあとに咲く約束
 翌日曜日、三人で川沿いを散歩した。
 
 まだ蕾も膨らんでいない桜並木の下を、真一くんが元気に走る。藤堂さんは、その姿を目で追いながら、時折ポケットに手を入れては何かを確かめる仕草をしていた。
 
 ーーあれは……
 
 胸の奥で小さな予感が芽生えるけれど、まさか……
 そんな都合のいいこと……と、理性が打ち消そうとする。
 でも、藤堂さんの横顔は、何かを決意した人の顔だった。

 少し歩くと、真一くんが川べりの石を飛び越えて遊び始めた。私も笑いながら見守っていたけれど、ふと横を見ると、藤堂さんと目が合った。
 
 その視線に、思わず息が詰まる。

 言葉はなくても、「この瞬間を覚えておいてくれ」と言われているような、そんな真っ直ぐな眼差しだった。
 胸が熱くなり、足元がふわりと浮いたような感覚になる。

 彼はゆっくりと歩き出し、真一くんを呼んだ。
 
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