星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち

プロローグ

――わたしたちが出会ったその瞬間、交わらないはずの星の運命は重なった。

「……夢を持つことは、奇跡みたいなことを追いかけるようなものかもしれないね」

その言葉を、あの男の子が口にしたのは単なる偶然だったかもしれない。

「そうなの! 奇跡みたいなことだよね!」

でも、思い返せば、それが始まり。
その男の子と出会ったことで、わたしの日常はがらりと変わってしまったから。

「ほんとに……すごいよね。奇跡みたいことなんだよ。夢を持つって」

わたしたちの願い。
それは、たった一つのささやかな奇跡。
どれだけ時間が過ぎていっても、どれだけ距離が離れても。
かなえなくちゃいけない夢があるから。
わたしたちは今日も、未来に向かって走っていくんだ。


この世界から、あなたがいなくなる前に――。
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