星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「…………」

しんとしていた。
何の反応も返ってこない。
息をのむ気配が伝わるほどの沈黙だけが流れている。
あれ……?
わたしの歌、どこか変だった?
確かによく、ポエムのセンスがないって言われるけれど。

「あぁ……、すばらしかったです……」

マイク星人さんだけは涙を流して感動していた。

「素敵な歌でした。本当にありがとうございます」

そう言い残すと、マイク星人さんは光を放ち、そのまま消えてしまった。
おそらく、本来の姿、マイク星に戻ったのだろう。
本当に歌うことで、星を喰らうサビがすべて消滅したのかは分からなかったけれど。
マイク星人さん、心残りはなさそうだったから多分、大丈夫だよね?
少し慌てふためいていると。

パチパチ。

次の瞬間、拍手の音が響いた。
わたしが不思議そうに目を向けると、そこには同じ年頃の男の子がいた。

(うわあっ……)

サラサラの茶色の髪。
吸い込まれそうな瞳。
そんな彼とまっすぐに視線がからんで、心臓がドキッと跳ね上がる。
そこにいたのは、呼吸を忘れて見とれてしまうほど、かっこいいを詰め合わせた男の子。
でも、どこかで会ったことがあるような……?
そう思っていると、男の子がわたしをまっすぐに見つめて言った。

「素敵な歌だね。僕は響野(ひびきの)サイカ。……君は?」
「あっ……。わたしは眞中日和です」

自己紹介すると、サイカくんの真剣な瞳と目が合った。
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