星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「日和さん……。僕のこと、覚えている……?」
「えっ……?」
「……そっか。ごめん。何でもない」

わたしが首をかしげると、サイカくんは少し寂しそうな顔をした。
その表情に見覚えがあって……。
どうしてだろう。
胸がざわざわする。
何か、すごく大切なことを忘れているような……。
疑問に思っていると、サイカくんは思いもよらないことを口にした。

「ねえ。君は、星おこしの攻略本を持っているよね?」
「はい。でも、どうしてそのことを……」

衝撃的な事実に、わたしはぽかんとする。

「どうしてだと思う?」
「えっ……?」

おそるおそるサイカくんへ視線を向けると、彼は優しく微笑んでいた。
その笑顔が、わたしの記憶を刺激する。

「あなた、もしかして……」

わたしはある核心をつくため、震えるくちびるを必死に動かした。

「消滅しかけているサイカ星が具現化した――」
「――うん、そうだよ。消滅しかけているサイカ星が具現化したのが僕だよ」

かぶせるように肯定されてしまった。
目の前にいる男の子は、星の化身。
攻略本のことを知っていたことと合わせて、ダブルびっくり!!
これってつまり、星が擬人化したってことにもなるんだよね。

「……で、最初の質問に戻るけれど、日和さんが星おこしの攻略本を持っていることに気づいた理由。それは簡単」

そう前置きして、サイカくんは言った。
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