星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「おいしいケーキを食べたり、高級マンションに泊めてもらったり、今日は最悪の日から一転、幸せ記念日だなあ……」

わたしは宇宙カードを眺めながら、ぽつりとつぶやいた。
ここにいると、宇宙の一部として存在を肯定されているような、そんな穏やかな気持ちになってくる。

「そういえば、宇宙ってどんな場所なんだろう? いつか行けたらいいな」

宇宙に思いをはせていると、その壮大さに自分の悩みが小さく見える。
地球と宇宙をつなぐ場所が宇宙空港。
そう思うとますます、宇宙空港が好きになった。

「周防くんには会えなかったけれど、学校に行けば会えるかもしれない。そしたら、一緒に星おこししてくれるかな」

まぶしいものが差し込んでくる。
わたしは今、光の中にいる。
宇宙空港には、わたしのことを必要としてくれている人たちがいる。
星おこしを始めてからの新しい生活。
本当にドキドキわくわくの連続だ。

「……そうだ! 周防くんに、サイカくんのことを相談しなくちゃ……!」

期待からじゃない。
願望なんてものでもない。
今度、会う時、二人と交わした約束が果たされる。
そう、信じているから。
サイカくんとガヴィット星人さんを救う手立てを、何としてでも見つけ出す!

(明日もこのまま、光を追って飛び出そう。よし、星おこし、がんばるぞー!)

そう思った途端、どっと疲れが押し寄せてきてベッドに倒れ込んだ。
そして、そのまま眠りに落ちていったんだ。
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