星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「この本には、地球や他の星たちの攻略方法が載っている」
「地球や他の星たちの攻略方法？」
　
男の子の言いたいことが、よく分からなくて首をかしげる。
すると、男の子は察したようにうなずいた。

「ゲームの攻略本みたいな感じだ。たとえば、地球の今の状況、それに過去や未来の歴史とかも分かるんだ」
「えっ？　地球の未来の歴史が分かるの！」

わたしはすがるように、男の子を見つめる。

「ああ。星のことを知れば、星は生き延びられる。俺たちはこれを、『星おこし』って呼んでいる」
「星おこし……！」

感情だけが先走るような、そんな不思議な感覚。
それを確かめるように、わたしは両こぶしをにぎった。
星おこしの攻略本をくまなく見れば、ガヴィット星人さんが生き延びられる方法が見つかるかもしれない。
わらにもすがる思いというのは、まさに今のわたしの気持ちを表しているのだろう。

「なあ。俺たちで、ガヴィット星を救わないか？」
「うん！　救いたい！」

わたしがうなずくと、男の子は突き上げるように手を上げる。
バチンとハイタッチすると、心まで軽くなるような気がした。
ガヴィット星が、宇宙人の姿になってまで、この地球に来た理由。
つまり、その星のみでは対処、復興が難しい打撃を受けたってことだ。
多くの大切なものを、場所をなくしたに違いない。
ガヴィット星人さんはいつ消滅するか分からない恐怖の隣で、きっとあふれそうになるものも一人で抱えてきたんだろう。
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