星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
わたしたちが、ガヴィット星人さんのためにできることはただ一つ。
星おこしの攻略本を見て、ガヴィット星が抱える問題を解決すること。
ちょっとずつ、一歩ずつ近づいて。
いつか、ガヴィット星人さんが、元の星の姿に戻れますように。
そう願ったその時――男の子の姿が突然、ピカピカとまばゆい光に包まれる。

「いけねー。そろそろ、この姿を維持するの、限界かも」
「えっ? どういうこと?」

混乱のきわみにいるわたしは、まったく話についていけない。

「ごめん。あとで、宇宙空港で会おうな!」
「……あっ、ちょっと!」

男の子はせわしなく手を振ると、すぐにその場から走り去っていった。
ぽつりと残されたわたしは、深々とため息をつく。

(宇宙空港って、なんだろう? それに不思議な雰囲気の男の子だったな……。あの男の子は確か、同じ中学校の周防(すおう)(まもる)くんだ)

隣のクラスにかっこいい男の子がいるって、何度も聞いたことがある。
友達に誘われて隣のクラスをのぞいた時、何度か目が合った。
アイドルみたいに整った顔立ちで、頭がよくて、運動神経も抜群。
素っ気ないところもあるけど、実は気配り上手で優しいらしい。
でも、彼は病気がちなのか、よく学校を休んでいることが多いみたい。
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