星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち


あの後、救急車で運ばれたサイカくんは、そのまま病院に入院することになった。
宇宙人さんたちを専門的にあつかう病院に。
目の前に迫る現実が、あまりにも現実離れしていて、心が追いつかない。

「サイカくん、大丈夫かな……」

別れ際に見たサイカくんの寝顔が、心に引っかかっている。
押さえきれない不安が、胸の中でふくらんでいく。
悲しくてたまらない。

「もし、このまま、何も手がかりをつかめなかったら……」

のどに詰まっていた言葉が、ぽろりとこぼれ出る。
これ以上、言っちゃだめだって思ったけれど、こらえきれなくて弱音が飛び出した。

「サイカくん、消えちゃうんじゃ……」
「眞中さん。そんなこと言ったらダメだ!」

わたしの不安をかき消すように、周防くんがきっぱりと言い切る。

「サイカは、俺たちを信じて待っている。だから、絶対に諦めたらダメだ」

それを聞いて、わたしは自分が恥ずかしくなった。
サイカくんは最後に待っている、って言っていた。
それなのに、肝心のわたしたちが諦めたら、そこでサイカくんの希望は(つい)えてしまう。
しみじみと感じていると、周防くんが切り出した。

「攻略本には、何か書かれていないのか?」
「サイカくんを星に戻す方法しか書かれていないみたい」

その問いかけに、わたしは噛みしめるようにつぶやいた。

「なら、宇宙図鑑の時みたいに、小さな情報から手がかりを探っていくしかないな」
「そうだね」

星おこしの攻略本は分厚い。
でも、まだ、時間の猶予はある。
残りを全力でやれば、きっと。
何だかうずうずしてきて、思わずこぶしを握りしめていると。

「よし。早速、ラウンジに行って、攻略本、かたっぱしから調べようぜ!」
「うん!」

その自信に満ちあふれた顔を見ていると、諦めるのはぜんぜん早いんじゃないかって思えたんだ。
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