星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち


放課後の時間を少し過ぎて、夕暮れの訪れを知らせる頃。
わたしと周防くんは宇宙空港のラウンジにいた。

「うーん」

わたしは真剣な眼差しで、攻略本をめくっていく。
だけど、攻略本には思っていた以上に、たくさんの星のことが書かれていて。
どの情報が重要なのか、分からなくなってくる。

「どうすれば、サイカくんを救うことができるんだろう」

あまりの情報量の多さに、わたしは困ったように頭を抱えた。

「闇雲に探しているだけじゃ、見つからないな。何か手がかりがあれば、いいんだけど……」
「手がかり……そうだ!」

周防くんの言葉で、わたしはピンときた。

「メインクエスト15。『サイカ星を救うために』。このクエストの内容って、手がかりにならないかな?」
「確かに、クエストの内容は意味がありそうだな。それなら……」

言葉を切ると、周防くんはじっとわたしを見つめた。
もしかして――。
わたしの中にあった予感は、いつの間にか期待に変わっていた。
周防くんが、これから導き出そうとしていること。
そして、わたしが今、考えていること。
その二つが、実は同じなんじゃないか、って。
そういう期待に。

「メインクエストの内容を途中までしよう」
「メインクエストの内容を途中までしようぜ」

わたしと周防くんは同時に口にする。
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