政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
オルフェンは深いため息を吐いた。

その瞳は、ただの心配か、それとも苛立ちを含んでいるのか――判別できない。

私は布団の中で唇を噛む。

奪われただけの存在だと思っていたのに……ラディウスは、私の「愛されたい」という願いに気づいていた。

「分かった。だが明日もこれでは困る。」

オルフェンはきっぱりと言った。

「おいおい、一日くらい休みをくれてもいいだろう。」

「だから今日、一日休ませたのです。」

鋭い言葉に私は息を呑んだ。

それだけでなく、オルフェンは私へと視線を向ける。

「明日も王妃が部屋に籠り、王と蜜月を過ごしていたなどと噂されれば、他国に笑われます。」

胸がきゅっと痛む。

王妃の務めを忘れ、ただ愛されているだけの女に見える――。

「いいだろう、そのくらい。」

ラディウスは悪戯っぽく笑った。

「新婚早々、夫を三日も離さなかった伝説の王妃だ。後世に残るぞ。」
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