政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「受け入れてくれるだけで有難いのに――」

囁くように零されたその声に、私は布団の中で頬を熱くする。

いつもは冷徹な王。その人が、ただの男として私を欲している。

「今まで女なんて、愚の骨頂だと思っていた。子を残せばそれでいい。」

ラディウスの低い声に、オルフェンは当然のように頷いた。

「それで十分だろう。王妃なのだから。」

だが王はフッと笑みを洩らした。

「……リフィアは、そうじゃないんだ。」

その一言で、胸の奥が強く鳴る。

「俺はあいつを、一目気に入ったという理由だけで奪った。政略結婚の道具にしてな。」

「事実だろう。王家に嫁いだ時点で、駒にすぎん。」

オルフェンの冷たい断言に、息が詰まりそうになる。

ラディウスはグラスを傾けながら、ゆっくりと続けた。

「……だがな、あいつは俺に愛されたいらしい。何度も求めてくる。俺が欲しいと。」
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