最強スパダリ吸血鬼が私を運命の人だと言って離してくれない!
「おい、ふざけんなよ」


霞くんの低い声に、クラスメイトたちの笑い声が一瞬で止まった。



「お前ら、見る目なさすぎ。ひかりの良さを知らないなんて相当損してんな」


霞くん……私のために怒ってくれてる。


普段は意地悪はかり言うのに、こういうときは迷いなく私の味方でいてくれるんだってそれだけで救われる。


「ありがとう、霞くん……」


「……ふん、別に。ひかりとの約束を守っただけだ。――それより、黒瀬のこと探してるんだろ? もうすぐ次の競技が始まる。急がないと失格にされるぞ」


小さな声でお礼を伝えると、霞くんは顔を背けてぶっきらぼうに言いながら、私の頭を軽く叩いてきた。


……いつもそう。


素直じゃないし、余計な一言言うし。


でも、その乱暴さに少しだけ胸があたたかくなる。



「……うん、行ってくる」



私は短く答えて、その場を後にする。



かげくんを探さなきゃ――



気持ちがざわざわして、じっとしていられない。
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