最強スパダリ吸血鬼が私を運命の人だと言って離してくれない!

霞くんの本音

その時、遠くから誰かの声がした。



「ひかり! こっち来い!」



声のする方へ振り向くと、霞くんが私の方へ走ってきた。



そして勢いよく私の腕をグイッと引っ張る。




「わっ! 霞くん!?」



霞くんは、驚いている私の腕を掴んだままゴールへ向かって一直線に走る。



そして小さい声でボソッと呟く。



「――何かあったら俺が守るって言っただろ」




そのままゴールテープを切った直後、アナウンスが広場に響き渡る。



「続いて第二位は同じチームの白鳥霞くん! お題は……な、なんと!! "好きな子と一緒にゴールすること"!!!」




えっ!?!?


す、好きな子って……



「おいおい! 今の聞いたか!?」



「えーーありえなくない?」




周りからの反応、視線、笑い声。



その全てが容赦なく胸に突き刺さる。


言い返す勇気なんて私にはなくて、ただその場で俯いていると。
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