背筋を伸ばして恋をする。



真っ直ぐな眼差しと1つ1つ丁寧に発された言葉に、嘘はないような気がした。



「…それなら、いいですよ」



「え、いいんすか!」



「え、うん」



まじか、と力が抜けたように膝に手をついている。



勢いづいた姿から一転して安堵の表情を見せる彼を不思議に思いながら見ていると、電車の到着を知らせるアナウスが流れる。



電車に乗り込むと、空いているスペースに私を立たせてくれて、「狭くないすか」なんて声をかけてくれる。


そういえば、昨日もさりげなく空いてる方を譲ってくれていたかもしれない。他の言動が衝撃すぎて忘れていた。





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