背筋を伸ばして恋をする。
その翌朝、私はいつもより20分早く駅に行ってみることにした。
すると、ホームのベンチでスマホを見ている桐生くんを見つけた。
やっぱり、と違和感は確信に変わった。
「桐生くん」
「え、あ、早いですね」
「桐生くんこそいつもこんなに早く来てたの?」
「今日はたまたまですよ」
「昨日、雨大丈夫でしたかって聞いてくれたけど、私が家を出る頃には全然晴れてたの」
「え」
「それで、桐生くんは何時に家を出てるんだろうって気になって、早く来てみたの」
「あーそういうことか…」
「ほんとのところ、何時に来てるの?」