背筋を伸ばして恋をする。
***
「それ、不審者じゃん」
「間違いなく不審ではあったなあ」
昼休みになり、食堂でいつものように舞と日替わりランチを食べながら、今朝あったことを話した。
「でもイケメンか〜」
「イケメンだったなあ」
「イケメンの不審者ならアリか〜」
「いやいや、アリか〜じゃないよ」
舞はいつもこんな調子である。
そして、本当に知らない人なのかと尋ねたあと、「まあ明日からは一応、車両変えたら?」と真っ当な提案をしてくれた。
「そうだよね、変えてみる」