あなたの秘密を暴きましょう

愛が芽生えた。しかし…

愛は芽吹いた。 けれど、父ロベルトが隠す“血筋の秘密”が二人の間に影を落とす。次期王妃として立つ道と、ひとりの女性としてひたむきに愛し合う道。
王都に響く噂と陰謀
双子の弟ルイが抱く疑念
エミリーの胸に秘められた真実
その先に待つのは、栄華か、それとも破滅か。
遠い間奏を破るように、夜闇の中でひそやかな声が響いた。母エミリーが震える手で古びた手紙を取り出し、ジュリエットに差し出す。
「読んで……本当のことを知る時が来たわ」
その中には、ロベルト公爵が王家の血筋を絶対に守るために、実子であるジュリエットをかくまった経緯が綴られていた。 真の父は前国王に仕えていた近衛騎士長――ジュリエットは王位継承のキーを握る“血の封印”だったのだ。
馬車の揺れが遠ざかるように、世界が音を失い、ジュリエットの鼓動だけが響いた。
真実を知った王太子との邂逅
翌朝、玉座の間。王太子アントワーヌは、その噂を耳にしていた。
「君は――ただの公爵令嬢ではない。王家の血を引く者だったのか」
彼の瞳に浮かぶ戸惑いと怒りは、かつて見せた優しさとは異なる鋭さを帯びていた。しかしその声は震え、胸中の葛藤を隠しきれない。
「それでも、僕は君を愛している」
言葉は震えながらも真摯だった。二人は秘められた真実の重みを共有し、なお結ばれようとする意志を確認し合う。
月明かりに照らされた秘密の庭園で、二人は深い約束を交わす。
アントワーヌが差し出す小箱の中には、二つの銀の指輪
ジュリエットが指にそっとはめ、冷たい夜気の中で誓いを立てる
「どんな陰謀があろうと、あなたと私は運命を共にする」
しかしその背後では、宮廷内の重臣たちがアントワーヌの即位へ向けて暗躍を始めていた。
公爵ロベルトに対する不信の種まき
双子の弟ルイをそそのかし、ジュリエット――王家の血を持つ者としての力を利用しようと画策
反対勢力がレオを密かに取り込んで、決定的な一手を用意
闇の中で揺れる蝋燭の明かり――ルイとレオが対峙する。
ルイ：「姉さんの血筋を利用すれば、僕たちも何かを得られるかもしれない」 レオ：「君は父上の望みを叶えたいだけだろう？僕は姉さんを――妹を守りたい」
ルイは冷静に利害を計算し、陰謀の駒となる道を進もうとする
レオは感情に突き動かされ、ジュリエットの味方として動く決意を固める
双子の対立は、家族の絆を引き裂く刃となり、ロベルト公爵の野望と相まってすべてを壊さんとする勢いを帯びていた。