メシマズな彼女はイケメンシェフに溺愛される
なのに、見分けた。本当はおいしかったと言われても、だからなに、としか思わない。中傷は愛していたからだと言われてもそんなのは愛じゃない。彼はブラックホールのように愛を飲み込み、闇を深めただけだ。
乃蒼のおかげでプロの料理と言われたと喜びを伝えたら、乃蒼は「陽音が努力した結果だよ」とほめてくれた。ようやく報われた気がして、その後は涙が止められなかった。
彼はどんな料理もおいしいと食べてくれて、陽音は徐々に自信を取り戻しつつあった。
「ともあれ無事に解決して、雨降って地、固まるだなあ」
ほろ酔いの修造がグラスを掲げ、なんどめかわからない乾杯をする。
「修造さん、今日は飲み過ぎじゃない?」
絢子が言うと、彼は彼女をきりっと見つめる。
「男には、酒に頼らなければならないときがあるんです」
「なによそれ」
絢子はころころと笑う。
「俺たちも固まってみませんか、絢子さん」
「なに言ってんの?」
真っ赤な顔の修造に、絢子たちこそが固まった。
カウンターにひとりぶんを開けて座る修造は、彼女にさっと手を差し伸べる。
「好きです。友達からでいいんで、お願いします、俺の料理を食べてください!」
「ほんと、なに言ってんの」
絢子のあきれた口調に、修造はがくりと肩を落とす。
「……私はとっくに友達だと思ってたけど」
そっぽをむく絢子に、修造はばっと顔を上げた。
「じゃあ! おれとつきあってくれたりとか」
「それは無理。まだ時間かかるから」
離婚の傷が癒えていない、と暗に絢子は言っていた。
乃蒼のおかげでプロの料理と言われたと喜びを伝えたら、乃蒼は「陽音が努力した結果だよ」とほめてくれた。ようやく報われた気がして、その後は涙が止められなかった。
彼はどんな料理もおいしいと食べてくれて、陽音は徐々に自信を取り戻しつつあった。
「ともあれ無事に解決して、雨降って地、固まるだなあ」
ほろ酔いの修造がグラスを掲げ、なんどめかわからない乾杯をする。
「修造さん、今日は飲み過ぎじゃない?」
絢子が言うと、彼は彼女をきりっと見つめる。
「男には、酒に頼らなければならないときがあるんです」
「なによそれ」
絢子はころころと笑う。
「俺たちも固まってみませんか、絢子さん」
「なに言ってんの?」
真っ赤な顔の修造に、絢子たちこそが固まった。
カウンターにひとりぶんを開けて座る修造は、彼女にさっと手を差し伸べる。
「好きです。友達からでいいんで、お願いします、俺の料理を食べてください!」
「ほんと、なに言ってんの」
絢子のあきれた口調に、修造はがくりと肩を落とす。
「……私はとっくに友達だと思ってたけど」
そっぽをむく絢子に、修造はばっと顔を上げた。
「じゃあ! おれとつきあってくれたりとか」
「それは無理。まだ時間かかるから」
離婚の傷が癒えていない、と暗に絢子は言っていた。