帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
「久しぶりだね。」

柔らかな笑みと共に告げられた声は、以前より低く響く。

「この度は、話し相手を承諾してもらえてうれしいよ。」

「……私もです。」

自然と頭を下げながら、胸の奥がざわめく。

あの夜、熱にうなされて「御母上」と呟き、私の手を握った姿が脳裏に蘇る。

あれから何度、その温もりを思い出しただろう。

「どうして私を、話相手に?」

問いかけると、暁宮様は少しだけ目を細め、何かを探るように私を見つめた。

「君なら、いろんな話ができると思った。」

その一言に、胸の奥が熱くなる。

「……はい、私でよければ。」自然と声が柔らかくなった。

そこへ侍女の葛城が、にこやかに進み出る。

「庭でも散策されますか?」

「そうだな。」

暁宮様は迷いなく頷き、私を伴って歩き出された。


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