帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
これより私は、東宮様に抱かれるのだ。

それが神に誓われた役目であり、同時に……私の願いでもあった。

檜の舞台に設えられた寝所は、香の薫りと灯明の柔らかな明かりに包まれていた。

白布の帳が風に揺れ、静かな夜気が頬を撫でる。

遠く、木立を渡る風の音だけが耳に届く。

私は敷かれた布団の端に膝をつき、静かに東宮様を待った。

やがて、扉がきしむ音とともに、白装束を纏ったその方が姿を現す。

その佇まいは、神前に立つときの厳かさと、私だけに向けられる温もりを兼ね備えていた。

「美琴。」

穏やかな声に、はっと顔を上げる。

「はい。」

東宮様は柔らかく微笑まれた。

「今日は……よろしく頼む。」

「こちらこそ……」胸の奥が震える。

促されるまま、私は衣の紐を解いた。

白布が肩から滑り落ちるたび、心臓の鼓動が高鳴る。
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