帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
冷たい空気と、東宮様の視線が同時に肌を撫でる。

やがてその手が差し伸べられ、私は静かに歩み寄った。

神事の名のもとでありながら、それは誰よりも個人的な、二人だけの誓いの始まりだった。

唇が触れ合い、熱を帯びた息が交わる。

東宮様も静かに白装束を脱ぎ、衣が床に落ちる音がやけに大きく響いた。

そっと背を押され、柔らかな布団の上に身を横たえる。

見上げれば、灯明は遠く、揺れる光の中で互いの輪郭だけが浮かび上がる。

「恥ずかしいな……美琴と、こんなことをするなんて。」

穏やかな笑みと、どこか少年のような照れが混ざった声。

耳元に唇が寄り、「でも、初めての相手が美琴でよかった」と囁かれた。

胸の奥が熱く締めつけられる。

「私も……」

かすれる声で返すと、優しい指が胸を撫で、全身が火照っていく。

「ああ……東宮様……」

思わず名を呼べば、その瞳が切なげに細められた。
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