帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
泣き疲れた私は、暁宮様の胸の温もりに包まれたまま、静かに眠りに落ちていた。

何も言わず、暁宮様はただその眠りを受け入れてくれていた。

「……美琴。」

夢の中から引き戻すような、低く優しい声。

「離れたくない。放したくない。」

そっと目を開けると、そこには真っ直ぐな瞳があった。

「巫女をやめて、宮仕えをしないか。」

差し伸べられた手は、暖かいのに——その先にある未来は見えなかった。

「……ううん。」私は小さく首を振る。

「私は、巫女にしかなれません。」

その瞬間、ふっと部屋を冷たい風が通り抜けた気がした。

どうして、これほどまでに愛し合っているのに——離れなければならないのだろう。

胸の奥で、見えない糸がぷつりと切れる音がした。
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