帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
――「今度の春日頃。そなたを迎えに行く。」

「……えっ⁉」

目を疑った。けれど何度読み返しても、同じ言葉が並んでいる。

胸が熱くなる。呼吸が乱れる。

あの方が……来てくださる?

六年前、別れ際に告げられた約束。

「時いたら迎えに行かむ」

その約束が、今、現実になろうとしている。

手紙を胸に抱きしめると、心の奥に閉じ込めていた灯火が、一気に燃え上がった。

会える。あの方に――。

「どうした、美琴。」

私の様子を見て、神主が心配そうに声を掛けた。

「……東宮様が、迎えに来てくださるのです。」

自分の口から出た言葉に、胸が熱くなる。

「東宮様って……最近、帝におなりあそばしたあの暁宮様かい?」

「えっ……帝に? あの方が……」

心が震えた。

暁宮様は、とうとうこの国ただ一人の御方になられたのだ。
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