帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
「美琴には、更衣として入内してもらいたい。」
「……えっ。」
思わず声が洩れた。背後で聞いていた神主が、目を細めて頷く。
「更衣といえば女御よりは身分が下がりますが、それでも帝のお妃となるのですぞ。」
――お妃。この方のお妃になれる。
その事実が胸に押し寄せ、堪えていた涙がこぼれ落ちた。
「帝……待った甲斐がありました。」
声は震え、涙は止まらない。
「美琴、泣くな。朕まで泣きたくなる。」
帝の大きな手が、そっと私の頬を拭う。
その瞬間、外から春風が吹き込み、桜の花びらがひらひらと舞い入った。
それは、長い歳月を経て結ばれる二人を祝福しているかのようだった。
そして私は、数日後。桜がまだ花びらを残す季節に、更衣として帝の御所へと入内した。
白砂の敷かれた中庭を渡り、静かに襖が開かれる。
そこにいらした帝は、凛とした佇まいのまま微笑まれた。
「……えっ。」
思わず声が洩れた。背後で聞いていた神主が、目を細めて頷く。
「更衣といえば女御よりは身分が下がりますが、それでも帝のお妃となるのですぞ。」
――お妃。この方のお妃になれる。
その事実が胸に押し寄せ、堪えていた涙がこぼれ落ちた。
「帝……待った甲斐がありました。」
声は震え、涙は止まらない。
「美琴、泣くな。朕まで泣きたくなる。」
帝の大きな手が、そっと私の頬を拭う。
その瞬間、外から春風が吹き込み、桜の花びらがひらひらと舞い入った。
それは、長い歳月を経て結ばれる二人を祝福しているかのようだった。
そして私は、数日後。桜がまだ花びらを残す季節に、更衣として帝の御所へと入内した。
白砂の敷かれた中庭を渡り、静かに襖が開かれる。
そこにいらした帝は、凛とした佇まいのまま微笑まれた。