諦めていた恋の続きを始めます


社会福祉法人が保有している船で、災害が起きた場合は現地に派遣されたことがあるくらい病院並みに設備が充実している。
さまざまな医療機器、医師や看護師、理学療法士や管理栄養士まで乗船しているのだ。

診療船は、瀬戸内に面した四つの県の五十を超える島々の医師不足を補う役目を果たしている。

穴吹は診療所を閉じたあとのことを考えて、島民たちに診療船で健康診断を受けることを勧めていた。
船で定期的に健康診断を受けていれば、病気の早期発見につながるからだ。

明日はこの島にも、その診療船がやってくる。
まどかが島に来てから診療船が寄港するのは二回目だが、まだ船の中には入ったことがない。

「穴吹先生、明日のことですが」

「おお、そうだった。船が来る日だね。種村さんに付き添って、病状の説明を頼むよ」
「わかりました」

まどかが穴吹から指示を受けたのは、フェリーで乗り合わせてからの付き合いになる種村だ。
この一年で足腰がずいぶん弱ってきて、ひとりでの受診は難しくなっていた。




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